悪い男

北見市も昨日は気温29℃くらいまで上がったと思うんですけど、そこはやっぱり北海道の本領発揮。
今日は予想最高気温19℃です。
西日本の皆様にこの冷気をおすそ分けして差し上げたい。


まあ、そんなことが出来るわけもなく、暑い中での被災者やボランティアの人たちの苦労に思いを馳せていると、昔のあることを思い出しまして――― 。




それは昔、私がまだ20代の時の事でした。
家の瞬間湯沸かし器が故障しちゃったんですよ。
すぐに直さないとシャワーも浴びられないし、ガス湯沸かし器だったから危険があったら怖いしですごく困っちゃったんですね。
で、修理を頼んで、大家さんがどこかの業者を手配してくれて、作業服に身を包んだ男性が一人、修理にやって来ました。


この作業服のお兄さんが私と同じく20代くらいで、イケメンだったんです。
こういうことには抜け目のないしずちゃん(母です)がすぐに反応しましてね。
「お兄さん、ずいぶんモテるでしょう?」って。
お兄さんは「ふふふ」と笑みをこぼしてガス湯沸かし器を分解しつつ、おもむろに煙草に火をつけて、ふぅと吐いた煙を湯沸かし器に吹きかけながら「モテませんよ」って軽くかわしたんですよ。
その仕草がまたカッコいいの。
でも、私はガス器具に煙草の火を近づけるのが怖くてたまらなかったんです。
ガスに引火して爆発しちゃったりしないのかしら?って思って。
お兄さんは「大丈夫だよ、煙の流れを確かめてるだけだから」って言うんですけどね。


「恋の吊り橋理論」ってヤツがあるじゃないですか。
危険な状態、ドキドキするところで異性に出会うと、恐怖のドキドキと恋のドキドキが一緒くたになるってヤツ。
そんな心理状態に置かれたのか、やたらとそのお兄さんが素敵に見えてね。
職業に貴賤はないとか言いつつも、私は「作業員」系の男は底辺じゃん、みたいに思ってたんですね。
でも、そんなことに関係なく、こんな色っぽい男は見たことないなあ、と正直思いました。
すごく女扱いに手練れてそうな雰囲気の男だったんですよ。
あ、こいつ悪い男だ――― ってその時すぐに思いました。


しずちゃんも吊り橋理論にかかっちゃったのか、「独身だったら、うちの娘(私のことね)なんてどう?」って。
冗談でもそこまで言うことないのにね。
「アナタ、結婚してるの?」っていきなり切り込んじゃったりして。
なぜってそのお兄さん、左手の薬指にね、指輪をしていたんですよ。
エンゲージリングではなくて、クロムハーツみたいなファッションリングだったんですけど。
そうしたら、そのお兄さん、なんて言ったと思います?


「ああ、これ?ふふ、、、これは魔除け」


あー、こいつ絶対悪い男だ!と思いました。
湯沸かし器は無事に直してくれましたケドねー。